ニューヨークセッション展望:財政刺激策への期待希薄化が米ドルを下支え
本日のニューヨークセッション入りにあたり、リスク志向はまちまちとなっておりますが、ややリスクオンに傾きつつあります。ユーロ圏の株価指数は全面的に弱含みで推移しており、利回りはしっかりしているものの、ボラティリティは全体として低下し、安全資産はほとんどが弱含みで推移しております。
EMEA株価指数の弱含みをけん引しているのはIBEX 35で-0.34%となっており、それに続いてEuro Stoxx 50が-0.31%、そしてDAXが-0.20%、FTSE 100とCAC 40がそれぞれ-0.18%と-0.10%となっております。
外国為替では、ニュージーランドドルが主要通貨に対してもっとも強含みで推移しておりますが、米ドルも同じように強含みとなっており、DXY指数については順調に戻しており93.00の水準に近づこうとしております。米ドルの戻りは、もっぱら米国の財政刺激策に起因しております。11月の米国総選挙前の財政パッケージ実施の見込みが再び遠のいたほか、コロナウィルス感染についての世界的な拡大が米ドル等の安全資産への需要を高める展開となっております。
その反面、主要通貨に対して全面的に安くなっているのが英国ポンドで、英国ポンド/米ドルは下押しを継続しており、昨日の上昇分を帳消しにしております。英国ポンドの売りは、もっぱらブレグジットに関する不透明感に起因しており、EUの10月31日の交渉期限を迎えるにあたって、更なる進捗情報をマーケット関係者は待っている状況となっております。
ニューヨークセッションにおいては、経済指標発表が少なくなっており、次の重要な経済指標発表はニュージーランドのCPIになります。それまでは、ブレグジットと米国財政刺激策に関する新たな展開がマーケットの値動きの大きな要因となることが予想されます。